VMLY&R グローバルCEOを務めるJoh Cookが宣伝会議のインタビューに応え、世界のビジネスの動向、これからのデジタル化と生成AIの活用、そして日本市場の可能性についてお話ししました。
Q:現在の業界の潮流
A:エンターテインメントとショッピングとマーケティングの融合に新たな潮流を見出している。ECの浸透により、ショッピングをしている時間をエンターテインメントとして楽しめることが求められるようになってきた。こうした消費者の変化に伴い、私たちエージェンシーには、これまで別々のものとして捉えてきたエンターテインメント、ショッピング、マーケティングの3つを融合した提案が求められている。
Q:生成AI活用について
A:積極的に取り入れる企業と導入を恐れる企業に、二極化している。VMLY&Rはもちろん積極的に活用しているが、同時に今まで培ってきた顧客理解のためのコミュニケーションの基本も大事にしている。
Q:「エンターテインメント、ショッピング、マーケティングの3つを融合した提案」とは
A:顧客の視点に立った、UI・UXの改善に留まらず、「ブランドエクスペリエンス」と「カスタマーエクスペリエンス」の2つを盛り込んだ設計し、そのブランドでしか提供できない体験とは何か、を見極める必要がある。顧客基点の思想とブランドを主語とする発信の双方を融合するところに、エージェンシーだからこその体験価値向上の提案があると考えている。
Q:世界的に顧客にとっての体験価値の向上という軸で、コンサルティング会社各社などもコミュニケーションビジネスの領域に参入してきていることをどう捉えているか。
A:コミュニケーションにかかわるビジネスに参入する企業は増えている。しかし、創造的な組織を率いる、広告の専門家集団にしかできない提案がある。当社はこの数年で、顧客体験とECにかかわる提案に必要な技術・システムへの投資を倍増させた。VMLY&Rだけで、エンターテインメント、ショッピング、マーケティングの3つに対応できるケイパビリティを兼ね備えていることに強みがあると考えている。
Q:日本市場でどの様なサービスに注力していくのか。
A:EtoEの体験を提供できるエージェンシーとしてしっかりとした認知獲得を目指している。VMLY&Rが属するWPPは日本市場に注力する姿勢を示している。傘下の各社とは競争関係にあるとは考えておらず、むしろ力を合わせることで、より強力なパワーを持つことができると信じている。
Q:日本のマーケターに向けてのメッセージ
A:この業界は変化が激しく、しかも最近は専門性の垣根がなくなっている。業界で成功している人たちは、部署や専門性にこだわらずに仕事をしている。この垣根があいまいになっていることをポジティブに捉えて、自分の強みを活かしてほしい。
VMLY&Rについて
WPPのグローバルマーケティングエージェンシーのひとつで広告、デジタルおよびソーシャルメディア、販売促進、ダイレクトマーケティング、ブランドアイデンティティコンサルティングを専門としている。現在は世界44カ国に13,000人以上の従業員を擁する。日本ではVML&Ogilvy Japanがサービスを提供しています。
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